

小休止、冬の足音
ようやく寒くなってきて、長い冬の足音が聞こえ始める。 家の窓から見える大きな欅の木が、毎年たくさんの葉をつけては色を変えその全てを落としていくのは、何度見てもその変化に驚いてしまう。 最近、ここいらで少し小休止の時間を過ごしている。 今年はコロナがあり、仕事の進め方や子どもの保育園問題など激動の割には、物理的な動きが制限されたためかあまり動いていないような錯覚を起こすのだけれど、実はかなり色々なことを考え、試行錯誤し、迷いながら過ごし、それでいて気軽に仲間と会ったりする息抜きの難しい、いつもよりも長い長い1年だったと思う。皆さんも多分そうじゃないですか? これはたぶんバスケをやっていた影響だと思うのだけれど、何事も張り詰めたままでは100%の力は出しきれない。バスケは球技の中でもサッカーの次に試合あたりの走行距離が多く、かつ割と全力で90分走りっぱなしのハードなスポーツだけど、当然のことながら一部の”天才"を除いては90分全力で走り続けるなんて戦略は取れない。(むしろ天才であればあるほど優先順位をつけて戦っているかな)しかるべき時にきちんと戦える


きのこが教えてくれる「境界線」
今年のハイライトともいうべきプロジェクトが今週ついに千秋楽を迎え。 本当に長い間、先が見えずにやることも倍々増々で大変だったのだけれど、なんだか不思議と頭の中で描いたことが実現する直感的な確信みたいなものがあって(うぬぼれではなく)、全く苦ではなかった。感動的で不思議でもあり、素晴らしい人たちとの巡り合わせを感じる旅だった。 今年に入ってから、「境界線」ということをよく考える。 先日、様々なバックグラウンドを持つ方々と、きのこの師匠に連れられて山の中に入った時のこと。当然ながらきのこには四季があり、それぞれの種が好む環境や木があり。でも不思議なのは、同じ木の両側面に生えているものでも、片方は有毒なのにもう片方は無毒。また数年前に毒きのこに登録された種も、当時多くの方が一緒に食べたのに亡くなられた方は数名でその他の方は無事だったり。同じものを食べても、当然ながらきのこもヒトも、個体によってその組成や免疫構造も異なれば、毒を受ける影響の有無や深度も変わってくる。なんだか私はここに今回のコロナ禍に対する気づきがある気がしてならない。 そもそもこの世界に


母性の不在(映画「マザー」)
少し色々落ち着いたので、最近また映画を見始めている。 今年公開の長澤まさみ主演の「マザー」。 色々なところで書かれているように、基本的には放蕩者の母親に文字通り人生を振り回される子どもたちの、実話に基づいたどこまでも不愉快な物語である。でも、どうしてか最後まで観てしまったし、そのあとモヤモヤと心に残り続けている。自分が子どもを持つようになって、子どもがかわいそうな物語は以前にもまして観られなくなったということもあるかもれないけれど、その辺りを少し考えてみたいと思う。 全ての"源泉"をも意味する「mother」とは、一体どういう存在なんだろう。 劇中で容赦無く自分の子どもを搾取し、一切を与えず奪い、その人生を台無しにしてもなお「自分の子どもである」ことを主張することの意味とは。そんなことを観終わった後もぼんやり考えてしまってとてもモヤモヤする。それがこの映画の、(そして実話に基づいているということを考えても)大きな意義なのだと思う。 そして思い至ったのが「母性の不在」ということなんだけれど、これは近年の映画に共通するテーマでもあると思っている。例え


自分を時代に合わせなくて良い世界
最近、季節の変わり目と色々なことが大詰めのせいで?、昨日は12時間も寝てしまった。。 まだそんなに寝られる自分の体力が嬉しい。笑 今日のタイトルは、言葉遊びみたい。でも割と近年、本気で思っていることで、日々いろいろな仕事に携わらせていただいて経営に携わったりコンセプトや戦略を考えたり、映像やデザインに携わったりしている中で、唯一全ての活動に共通して言えるのは「自分を時代に合わせなくて良い時代や世界をつくりたい」ということだけかなぁと最近思う。 どういうことかというと、これまでの時代や世界は割と、それに個人が生き方や選択肢を合わせなければならないことが多かったように思う。地域から東京へ出て行くことがステイタス、仕事か家庭かを選ばないといけない時代、長男長女だから、個人として存在する前に、所属先や時代の流れに生き方やライフスタイルを合わせないと生きていけない世界・・ それはとても悲しいことだと思う。 なぜなら人生は一度きりで、あなたはひとりだけで、あなたの時間は有限で、時代や世界が変わるのを待っていたらもう間に合わないから。だから本気で割と思っている


善悪のコンセプト
めっきり秋らしくなり、いまだけの秋晴れの気持ち良さを日々楽しんでいます。 昨晩の満月も今年で一番素晴らしく、実はこの「ちょうどいい季節」というのは年に数日もないのだろうなぁと思う。 昨年比でインフルエンザの患者数が1/1000になったらしい。 そういえば我が子も今年から保育園に通っているが「しょっちゅういろんな風邪やらをもらってきては呼び出されるよー」と先輩方に聞いていたけれど、まだ一度も呼び出されていないし、風邪すら引いていない。子どもが強いせいだと思い込んでいたけれど、どうやらそれだけではないらしい。医療を始め、介護・福祉の現場はいまかなりの緊張感で日々の業務に当たってくださっているし、我が家も日々の手洗いうがいの徹底に加えて、各種アルコール除菌をする生活が半年以上続いている。それにより、コロナウイルス以外の菌やウイルスの除菌も知らず知らずのうちに行われているのだろう。
でも、と思う。 いまは非常時だから最大限リスクを低下させることが最優先課題なのだけれど、当然ながら私たちは日々、有害なもと一緒に、本来必要なはずの常在菌などもアルコール除菌