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  • chiharuf

これからの教育と、本当の働き方改革

今週からまた新たな日常の始まりです。

旅の良いところは、戻った日常もまた良いと思えるところでもある。


で、色々と振り返ってみて。

自分がいまぶちあたっている問題を打ち明けてみると(今思うと自分から何かを相談することがあまりない性分なんだな)、「実は私も」「そうなの?教えて!」など多くのポジティブな共感をいただけることにも気づき。そしてこれこそが、いつも学生に講義している通りソーシャルデザインのタネでもあるよなぁと。この問題は広くシェアしておいて、誰かのためになれば良いなと思い、形に残しておくことにしました。


・子どもを預けられない個人事業主の現状

保育園等の事情は各自治体で異なると思うので一概には言えないけれど、国内では2016年に匿名の保護者が投稿した「保育園落ちた日本死ね」問題をきっかけとして、かなり議論されるようになったとは思う。 でも、まだ具体的な解決策が足りないのも事実。それがようやくこのコロナ禍で、「本当の働き方改革」と合わせて少しずつ改善されれば良いなと思っているし、そのために自分ができることはやっておきたいというのが今の正直な気持ち。


私は個人事業主&子どもが早生まれのため、0歳児時点で預けるのはあまりにも現実的ではなく、子どもが1歳児になる時点から入園を検討。それまでは区内の一時預かり拠点を全て登録して、仕事のたびに電話で予約&お預かり(満員が多く仕事をキャンセルせざるを得ない時も)、そして各拠点で持ち物やルールが全く違うので、今思うと産後疲れもあり本当に追い詰められていた。そして人間怖いのは、ギリギリな時ってその渦中にいるときはわからないんだよね。当時は必死だったのでそこまで大変だと考える余裕もなかった。それがわずか1年前の話。


・育休産休のない個人事業主への実質的な減点制度

そんな中、1歳児になればどこかに入れるはずと唯一の希望を持ってやりくりしていたのだけれど、そこで初めて知ったのは「育休取得した会社員に加点される2点が、育休なく働き続けている個人事業主にはない=実質減点」という実態。これはもう、久々に叫びました。笑

あらかじめ声を大にして伝えておきたいのだけれど、会社員の方がどうと言うつもりは全くなくて、そうではなく、みんな同じようにやりくりして働いているにもかかわらずなぜこのような制度の隙間が生まれてしまうのか?


*余談だけれど、私は「フリーランス」という言葉も使わないようにしています。日本語の「フリーランス」が持つ意味合いは時に実態とかけ離れることがある


私が住む杉並区としては「できる限り育休取得できる方にはしていただいて、そうでない方々への入園を優先するため」とのことだけれど、私は実際にこの2点が大いに高い壁となり、希望園14園、全てこの2点で落ちました。(希望した全ての園が入園者の最低点数に2点届かず)


・これからますます増える保育と教育の重要性

結局、我が家はその後の調整で「認可保育園に入れなかった子たちのための保育室」に4月から(コロナの影響で実際には6月から)通っています。この保育室の位置づけや定義も、最初聞いたときはかなり抵抗があった。なぜなら、世界的にも未就学児の「自己肯定感」や「非認知能力」の重要性が改めて認識される中で(日本はとても遅れてますね)、どこにも入れなかったから、ましてや自分の職業の形態のせいで、子どもにとってとても大切な社会生活の入り口である保育園の選択肢すら用意してやれないことが、こんなに辛いことだとは正直思っていませんでした。これは自分としても珍しくしばらく落ち込み、そして何よりも辛いのは、自分が仕事を続けること自体が、家族のためにならない、自分のエゴなんじゃないかと思えてしまうことだった。(世代によっては、どうして預けるの?という声もまだ多い)これまで多様な人と、自己実現や何よりも社会との繋がり、そして仕事の楽しさを大切にして働いてきた自分が180度違うマインドになるとは、もはや自分が自分ではなくなってしまうぐらいの衝撃で、これは日本、働きながら子育てする家庭どんどん減ってしまうなと初めて実感もした。


*ここでは詳細は割愛するけれど、まだ家事育児介護が女性に偏らざるを得ない国内の状況では、勤務時間の自己采配比率が少ない会社員だけではなく、個人事業主は今後も増加せざるを得ないだろうし、同じく超過勤務に苦しむ男性の解放も同じテーマでこの問題は本当に複合的な課題が絡み合っているなと感じる


そういえば先進国で唯一、出生率の回復を遂げたフランスでは、未就学児の教育開始年齢を3歳からに引き下げている。(全ての国民が無償で教育を受けられるが義務ではない*このバランス感覚が秀逸)


・まさかの保育室が来年3月で閉所

そこに来て、先週保育室から急きょ説明会があり、なんと現在入室している保育室が来年3月に閉所するとのこと。これはもう久々に倒れそうになりました。笑 理由は、区として新設の認可保育園を多数増設中で、今後区が直営の保育室は段階的になくしていくからとのこと。それにあたり、現在入室している家庭は再度10月から始まる次期申請にゼロベースで手続きを組まなければならず、唯一の譲歩は駅から反対方向の現在とは全く違う場所にできる新設の保育園へは入園を優先するとのこと。あらゆることが、頭の中だけで考えたであろうことで、論理的には間違っていないのだろうけど、全く現場の先生方や何よりも子どもの目線に立って進められていない。現在のクラスはみんなまだ3ヶ月しか通っていなくて、ようやく環境や先生、お友達に慣れてきたばかりであるのに。


実は今年保育園に落ちた際に、個人事業主を取り巻く制度是正について区長宛に意見書を提出していたのだけれど、それも来年の調整にあたってはまだ是正されていないことがわかった。


当面の要望としては、転園扱いの各家庭ができる限り希望の園に入れること(でも同じプロセスで今年全て落ちた結果として現在保育室に通っているので絶望的である)、また半年しか経っていない申請書類の全提出軽減(せめて変更箇所のみの提出へ*個人事業主は開業届、毎月の請求書や通帳コピー、仕事の概要がわかる資料など会社員の5倍ぐらいボリュームがある)、そして個人事業主を取り巻く実質減点制度の是正。


特に最後の点は、もう私の直近の仕事のタイミングには間に合わないだろうし、個人事業主であり続ける限り(現在会社員に戻る予定はない)、仕事をつくることと同じぐらいの時間と労力を割いて保育園を探し続けなければならないかもしれないけれど、後に続く世代のためにも時間をかけて是正していきたいと考え、現在議員の方々といろいろ話を進めています。初めて議員の方の事務所にお伺いしたけれど、皆さん本当に頑張っていて正直驚きました。初めて自分の生活と政治が繋がっている実感も得られた。


もし同じようなことで困ってるよ、とか、もっと話聞きたいとか、一緒にやろう!という人はぜひご一緒に。


少しずつでも、働きやすい「本当の働き方改革」を目指したいと思います。

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