世界は見たいものでできている
緊急事態宣言が解除され、多くの人が街へ出始め、近所の店なども徐々に通常営業に戻りつつありますね。久々にご近所のお世話になっている人やお店の人とマスクあり&距離とりながらだけど話せたりして、なんだかとっても嬉しい。我が家ではあと2週間ほど自粛生活が続きそうです。
最近、密を避けてひたすら子どもを遊ばせに近隣の公園という公園を行脚しているのですが、その間に自転車を漕ぎながらいろんなことを考えています。(もちろん安全運転で)以前、何かの本?で「移動距離とクリエイティビティには相関性がある」(この言葉を聞くといつも芭蕉先生を思う)と読んだことがあるのですが、無心に体を動かしていると普段思いつかない発想や気づきも浮かぶので、やはり人間は当然ながら脳だけでなく、体も含めてひとつなんだなぁと1日30kmぐらい漕ぎながら実感しています。
前置きが長くなりましたが、最近SNSやTwitterでの誹謗中傷が問題になっていますね。その是非や詳細についてはここでは書きませんが、日々SNSを見て思うのは「世界は見たいものでできている」ということ。自分がいいねしたりシェアしたものの傾向によって、その嗜好に沿ったおすすめが表示されその繰り返しでかなり精度の高い自分だけの生態系が出来上がる。この仕組みってあらゆる点で面白いなぁと。だって、人間の脳自体がそうだから。同じ「事象」を見た複数の人間が、それをどのように「受け止め」「理解」し(もしくは受け止め理解できずに)、それをその人にとっての「真実」とするかって、その人がそれまでに見聞きし・感じたり・経験したもの・次第だもんね。だからこそ、特に「自分の見たいもの」で構成されやすいオンラインや脳内の世界を飛び出して、全く想像しないものや見たことのないものに出会うことは人間にとってやはり必要なことなんでしょうね。(6月からオンラインで再開される授業でも、この辺りのリテラシーやディスカッションを中心に展開しようかなぁと考え中)
私は就活で会社を選ぶ時にひとつだけ思っていたことがあって、それはいかにその会社の社員さんが楽しそうに、全く価値観も経験も違う自分に対してたった短時間でも向き合ってくれるかというところだった(いま思うと生意気だなぁ笑)。そして選んだのが新卒で入った会社。そのためにはもちろん、自分もたくさん勉強し考えなければならないのだけど、何が言いたいかというと、自分と全く違う価値観やひと・モノなどを面白いと思えるかどうか。それは今も変わらずに大切にしている価値観だったりする。それは確実に自分の人生を豊かにしてくれる。
そんなことを考えながら今日も自転車を漕いできまーす。