持続性への挑戦

あっという間に今年もGWが終わってしまい、本来はあと2ヶ月ほどで東京オリンピックが開催され(我が家も幻の観戦チケットを持っていた)、歴史的な祭典を楽しんでいたのかと思うと、コロナ禍が始まり、4月から緊急事態宣言が出され「STAY HOME週間」などと謳われ、家族3人+1匹で家に留まる生活を続けているのは、全く違う世界線に来てしまったような気がしてならない。少なくとも半年前の自分が今の状況を聞いたら、「なにそれB級SFの話?」と思ったに違いない。

公園で息子と四つ葉のクローバー見つけたよ

かねてより3つの視点でポスト→ウィズコロナの世界について迫っている記事も3つ目。

「持続性(サステナブル)への挑戦」について書いてみたい。

1、目に見えない「無意識」への挑戦

2、大切な人との物理的かつ精神的な距離感への挑戦

3、これまで謳われてきた「持続性(サステナブル)」への挑戦

・新たな世界における持続性とは

今回のコロナ禍、もはやこれまでの社会の枠組みで認識されてきた「持続性(サステナブル)」以前の、「社会の枠組み自体をどうするか」「どうやって生き残っていくべきか」という状況になっており(本日時点で世界の死者数は26万人を超えている)、まだ先行きも何も見えない中なのだけど、だからこそいま改めてこのテーマを考えてみたいと思う。

そもそもこれまでSDGs(Sustainable Development Goals- 国連が2015年に定めた持続可能な開発目標)や、企業活動で謳われてきた「持続性(サステナブル)」は、ある程度これまでの枠組みの中で想定する経済成長に基づいた上での環境配慮や社会課題の解決を提唱している。2015年以降、主に日本国内ではようやく2018〜2019年頃からオリパラへ向けた機運情勢も含めて、企業活動での訴求なども増え、目にする機会も増えたのではないかと思う。そしてその活動はあらゆる企業・団体から個人レベルにまで落ちようとしていた。海洋プラスチック問題をはじめとした脱プラスチック活動(エコバッグ推奨、脱プラスチックストロー活動)など、目にされた方や実際に活動されていた方も多いのではないか。かくいう私も、エコである以前に便利でもあるため、もともとエコバッグは常に持ち歩いていたが、世の中が急速に「サステナブル」「エシカル」に向かう中で、いくつか疑問を感じてもいた。そして、ポスト→ウィズコロナの世界における「持続性」とは、「人間社会自体の持続性」をも含むより深い意味合いにならざる得ないのではとも思う。

・環境問題の全体像とは?

たとえば脱・プラスチックストロー問題。大手コーヒーチェーンなどでドリンクを頼む際、明らかにストローの容量よりも大きいプラスチックカップで飲料を飲みながら、ストローだけカットする意味とは?とよく考えていた。例えば子どもやお年寄りなど必要とする人もいるわけで、一律になくすことが必ずしも良いのか?選べるということと、全体的な視点が必要なのではないか。もっと言うのであれば、日々ニュースで目にするような海洋プラスチック問題は何が原因で起きているのか?日々の個人生活レベルで言えば、ゴミは収集され焼却されているはずで・・なぜ海洋には大量のプラスチックごみが蓄積しているのか?(なんとWWFによると世界の海にはすでに1.5億トンのプラスチックごみが蓄積されているという)後日、色々と調べていると、主にマイクロプラスチックをはじめとする海洋プラスチック問題の多くは洗剤に含まれる研磨剤や街中も含むポイ捨てが流れ流れて海にたどり着いていることもわかってきた。(参考:「海洋プラスチックごみ問題とは?」

色々と知れば知るほど、これまでの機運醸成や目の前の対策も大切だけれど、よりドラスティックで問題の根幹から環境問題についてアプローチする必要があるのではないかと思い始めていた。そして、環境問題はSDGsが指し示すように、経済・国際協力・エネルギー問題などなど、多様な課題とも深く結びついている。そんな時に出会ったのがこの本です。「ほんとうの環境問題」(池田清彦・養老孟司著)なんと2008年の書籍なのだけど、ここで著者のおふたりが語られていることの視点・視野は現在ますます重要性を増しているように思う。

そもそも地球は大きな区切りで、温暖期・寒冷期を繰り返していること。(多くの恐竜たちが寒冷期に滅亡したのはよく知られているところ)現在の温暖化が果たして危機的状況七日、そして主たる原因が本当にCO2排出によるものなのか、実はまだよくわかっていないこと。その上で締結された京都議定書をはじめとする国際協定が、全体から見ると非常に微々たる量の排出量(そしてそれを達成するために多額の予算が必要である)ことなどなど。なんのためにCO2を減らそうとしているのか?そのためにはどのような対策・手法が必要なのか?それらが実は非常に曖昧であり、その曖昧さはコロナ以前までの個人レベルの環境活動にまで影響を与えてもいた。

・コロナが与える明るい側面

そんな中、今回のコロナ禍で、唯一の明るいニュースが飛び込んできた。

世界的に従来型の経済活動を停止せざるを得ない状況で、世界的な観光地であるヴェネツィアでは観光客の激減により運河に魚が戻ってきたり、多くの工場を停止していた中国では大気汚染が大いに改善されたことでこれまで死のリスクに晒されていた5〜7.5万人が救われ(しかもその数はコロナウイルスによって犠牲になった方々の20倍の人数にもなる可能性があるという)、世界を行き来する航空機の数が大幅に減ったことにより、3月単体だけでCO2排出量が従来の1/3近く減少した。(今年3月単体で、世界で100万便が欠航となりCO2排出量は2800万トン減少した。そしてこの減少は増え続けている)

・たった1ヶ月で日本の排出削減目標40%弱を達成

実は上記の減少量だけで、京都議定書で定められた日本の排出削減目標(1990年時点でのおよそ12億tの6%=約7200万t)の4割近くを達成してしまっている。たった1ヶ月で。(ちなみに日本は結局、目標達成のため1600億円を拠出して、他国から排出権を購入している)もちろん、世界中の航空機が一斉に停止した数値を日本単体の1ヵ国排出量と単純に比較するのはナンセンスだし、世界のCO2排出量は2019年で330億tもあるので、微々たる数値かもしれない。でも・・、やはり本気で地球温暖化を防ぐ必要があって、その主たる原因がCO2の排出であるのだとすると、この数値をどう見るかがだいぶ変わってくると思うのです。

・新しい環境問題との関係性

現在急ピッチで進められているリモートワークによる通勤時のCO2削減や(米国でのCO2排出量の約30%が通勤時によるものだそう)、これから急激に変化する消費・余暇活動などの影響によって(あらゆるカテゴリのコンテンツが急速にオンライン化することによる電力消費量も変わってくるだろう)、これからの私たちの生活と環境問題の関係性は大幅に見直されることになる。もし本当に地球温暖化の主たる原因がCO2排出で、それを防ぐために予算が必要なのであればそれはエネルギー効率の良い新たな枠組みの共創に割くべきかもしれないし、これまでの従来の枠組みにおける環境問題が、あくまでも持続的な経済成長に基づいた「Sustainable Development Goals」であったものが、地球上の有限で収奪の限界に来ている資源を共に活用しながら共存していくような世界にならざるを得ないのではないか。これはあくまでも理想であり、生き延びるための手法のひとつでもあり、個人的にはこんな世界になれば良いと思っている希望でもある。その際に、重要だと思うキーワードを3つほど選んでおきたい。

「Coexistance(共存)」、「Continuity(連続性)」、「Circulation(循環)」

子どもたちの世代が大人になった時、私たちと変わらずに便利で快適な世界、そしてもう少し平和である世界を答え合わせできるように、日々考え、できることからやっていきたいと思う。

まずは目の前のコロナとの闘いですね。

しばらく堅い記事が続いたので、次は最近見た映像の話でも書こうと思う。

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