メアリと魔法の花

観て来ました。*ネタバレ注意

小学校6年生の時に衝撃を受けて2回観に行った「もののけ姫」から始まり、夏休みといえばジブリ映画の封切り。(厳密には、本作品は新たなスタジオポノックの作品ですが)

ネットでは色々評価されていたりもしますが、私は映画人でもなんでもないので、あくまで1視聴者として思ったことを書いておこうと思いました。

このメイちゃんのような、赤毛と強い眼差し。

永久のテーマである、魔法。

とても期待しました。

米林監督の「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」はどれもとても素晴らしくて、特に古き良き美しい古典文学の世界の中で、現代人にも共通する人間の苦悩を重ね描く点が素晴らしいと感じていました。なので、超身勝手な期待としては、鉄板である「魔法ストーリー」×「人間の苦悩」では、先駆けの「魔女の宅急便」(キキなんかは魔女ハーフということもあり、ほぼ100%人間として描かれていますよね)や、海外では「ハリーポッター」(魔法×みにくいアヒルの子、もしくはのび太くん)が既にあるので、米林監督はどういう形で独特のアプローチをされるんだろう、とわくわくしていました。独特のタッチで古き良き時代の魔法の世界観を徹底的に表現するのか、それとも現代で?などなど。

結論からいうと、魔法の世界の作り込みも、人間の苦悩も描かれていなかったように感じました。魔法の世界は、古代なのか現代なのか?そもそも時代背景がわからない。そして魔法の世界に存在する者たちも、キャラクターデザインという意味でかなりのカオスに感じました。ハイテク系あり、マッドサイエンティストあり、地上の動物あり、古代の魔女もあり。。

*ひとりだけ人の形をしていないキーマンがいたのですが、そこにも何かしらの伏線があったはず

人間の苦悩も、メアリ本人としては何が何だかわからないまま魔法の世界に連れて行かれ、特にモチベーションもないままに(ひとつあるとしたら自分の責任で友人が魔界に連れて行かれたぐらいですが、その友人も親しくはありません)、有象無象の敵と戦っていくので、そこには視聴者としてもキキがトンボを助けに命をかけるシーンのような思い入れも、感情移入もありません。

地上の世界でも、舞台はおそらくイギリスの湖水地方やスコットランドだと思うのですが、メアリだけは現代っ子の服装で、何か設定があるのかな?と。お父さんとお母さんは一緒にはいないようですが、その辺りも詳しくは描かれていません。102分の上映時間が終わった時、展開の慌ただしさの割に長かったと感じました。

エンドロールをみて、カオスの理由がひとつわかったような気がしました。数多くの企業、スポンサー、製作委員会がかなり重く名を連ねていて、また「感謝」という名目で鈴木プロデューサーや宮崎監督の名前も。邪推でしかないですが、もしかしたら当初米林監督が目指されていた形と、出来上がったものはかなりかけ離れてしまったのかも(大人の事情で)。そうだとすれば、そこにはやはり監督が表現に徹することができるだけのプロデューサーが必要だったのでは。

私たちはなぜキキには共感できて、メアリにはできないのか?

二人とも、個人的な知り合いではなく深く知っているわけではないのに。でも恐らくそこには、細部に渡って計算され尽くし、キャラクターに感情移入できるよう設計された背景があるんだろうと再認識しました。

改めて表現の面白さと難しさを考える時間でした。

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