生きる

黒澤明監督のヒューマニズムが頂点に達したと言われている、映画「生きる」(1952年)。

生きている限り、すべての者が向き合わなければならないそのテーマに直面する人間は、抱えきれない重みと、また滑稽なまでの人間性が現れてくる瞬間でもある。

死が実感として迫るとき、人は何を思い、選ぶのか?

とてもシンプルなテーマ・ストーリーの中にも葛藤や人間くささが溢れていて、そしてこの志村喬さんという主人公の方の情緒豊かな演技が、(それでも肯定して)「生きる」ことを賞賛し、観ている者に投げかける。

この映画を観たときは、2006年モントリオールで映画学を専攻していたときで、学術的なテーマや解釈をほっぽり出して、久々に聴く日本語の響きに夢中になり「お前は生きているか?」と深く問いかけられたような気がしたのだ。

余談だけど、私はこの志村喬さんという俳優がとても好きだ。

彼が醸し出す、人間くささとそれが生み出す愛おしさのようなもの。そしてなぜかもう亡くなってしまった昔の方のように思えない。それぐらい、彼の演技は普遍的なのかもしれない。

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