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実態のない記憶

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宇宙をさまようことよりも、地球に帰れないことよりも、「実態のない記憶」が何よりも恐ろしいと気づかせてくれたのが「MOON(月に囚われた男)」。

信じていた希望が、記憶が、実は実態のないモノだったと気づかされた時、人はどうするか?私だったら・・?と、始終いやな汗をかきつつも目をそらずことのできない映画。

なぜなら、実際の生活において自分自身がいま記憶だと思い・大切にし・心のよりどころとし・あるいは執着しているモノの実態すらもまた、カタチもなく証明すらできないものであると、ふと気づかされるから。そのなかで生まれる生物 / 非生物(そもそも、何を非生物とするかももはやわからなくなってくる)間での思いやりや愛情にだけ、ひととき救われる映画。

久々に良い意味でイヤな映画に出会ってしまった。

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