醜くてユニーク、だから愛おしい

醜くてユニークな家族の物語。が故に、とっても愛おしい映画。

「8月の家族たち」(監督:ジョン・ウェルズ)

未完成で行き先のない人々が描くリアルなストーリー。

それはある時うわっともつれて交差し、またパッと散っていく。

だから一緒にいる時間が身を削られるほど辛くても、それはかけがえのない時間。

家族ってそういうものだと血が通った視点で教えてくれる。

(途中家族が殴り合ったりするので、かなりユニークすぎる視点かもしれないが。)

それにしても俳優陣が豪華なことこの上ない。

ドラッグ中毒から夢現つを生きていたかと思うと途端に現実に戻りドスの利いた声で家族の弱点を突きまくる、圧巻のメリル・ストリープ。

唯一、未完成な家族の中で芯があるかのように見えるが脆い存在のジュリア・ロバーツ。

大人でも子どもでもない脆い年齢を演じた、「リトル・ミス・サンシャイン」の

アビゲイル・ブレスリン。

この話で面白かったのは、女系家族の展開。

ストーリーの冒頭で唯一、一家の大黒柱であったかもしれない父が

自殺ともつかない不自然な死を遂げてしまう。

それぞれに夫やフィアンセはいるが、彼女たちの圧倒的存在感と主張の中では

静かに息をひそめている。

女たちは迷い、わめき散らし、殴り合い、自身の存在理由を確認する。

2011年の映画だけど、アメリカでさえもこの映画を制作する背景、

高齢化社会と家族の脆い関係(しかも女系家族)を描くに至ったのか、

となかなかに感慨深い映画でした。

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