自分の言葉で語るつよさ

先日母と話していたら、私は高校の頃「"世界の車窓から"みたいな旅をしながら文章を書いて暮らしたい」と言っていたそう。(!) それを聞いて私は「本当に?それ、私が言ってたの??」というぐらい忘れていて驚いたのだけど、自己という存在はそんなもので「自分は変わらないひとつの存在である」というようなことは生物学的にも誤りで(細胞レベルでも数年ごとに別モノに変化し続ける集合体のようなもの)、だからそんな自分を記録し保存してくれる家族や友人は本当にありがたい存在でもある。(そして日記も)


それからあっという間に20年ほど過ぎて、「個人が超面白い時代」になっている。最近夜寝る前に数時間、色々な人のYouTubeをむさぼり見ているのだけれど(それはもう貪欲に)、これが従来のどんなメディアよりもリアルな人間模様や考察を垣間見られて本当に面白い。そして改めて驚くのは、従来は巨大スポンサーがつき大手テレビ局が企画していたような海外企画を、いまはコロナ禍もあってテレビ局の代わりに個人のYouTuberが(場合によっては海外の政府観光局から正式に依頼を受けて)実現してしまっていることでもある。コロナ禍で大人数の移動が制限され世論も慎重にならなければならない今、ひとりで企画演出出演撮影編集をできてしまうYouTuberの強みと今の時代を感じざるをえない。(もちろん彼らも事務所に所属したりカメラマンや編集をアウトソースしたりはしているけれど、それでも超少人数には変わらない)

そしてそんな時代に受け入れられるのは、もちろん最低限のマナーやルールはあるけれど「裏表なく飾らない自分自身やリアルなその人の本音」であったりする。SNSは一方でとても怖い存在で、そこに嘘偽りがあるとすぐ見破られてしまうからだ。従来のメディアでは考えられなかったような普段のありのままの裏側まで、今の世代は上手に見せているなと本当に感心する。K-POPアイドルでさえ、インスタではノーメイクの舞台裏を見せたり、パフォーマンスの練習動画を公式動画として公開していたりする。(これ以前までは考えられなかったでしょう?)そのぶん、もしかしたら「飾らない自分すら見せられる状態にしておかなければならないプレッシャーや努力」も存在しているのかもしれないが、主語が限りなく組織や会社や事務所などの「所属先」ではなく、「その人自身」に近づいているのは本当に良い時代だと感じる。株式会社比嘉企画として再スタートされたryuchell(りゅうちぇる)さんもその精神性が本当に素晴らしい。みんなどうしてそんな若いのにできた人間なの??

それらを実現しているのは、言わずもがなネットをはじめとしたあらゆるサービスや技術のコモディティ化(民衆化)でもあるが、面白いのは彼らの表現や演出がちゃんとテレビの系譜を辿っていることでもある。そしてもちろん現在にもテレビにはテレビの、得意な企画や役割や演出がある。だからこそこの辺りの文脈を全部すっ飛ばしてネットの動画を見てリアクションするテレビ企画なんかを見てしまうとがっかりしてしまう。時代も自分たちの良さも、なにもわかってないじゃんと。

そしてそんな「自分の言葉で語る(語れる)強さ」はいまいろいろなところで見受けられるし、より必要とされている。政治でも、社会経済でも、企業でも。理由は簡単で、情報が超爆発し錯綜している現代において、それ以上に強くまっすぐに人の心に届くものはないから

とはいえ私いま、声帯炎なるものになってしまい全く声が出ず、話すことが仕事でもあるのでものすごく反省をしているのですが・・これはこれでまた、いかに現在の社会が「声でコミュニケーションを取る前提の社会」かを日々痛いほど気付かされています。この辺りのお話はまた今度。

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