善悪のコンセプト
めっきり秋らしくなり、いまだけの秋晴れの気持ち良さを日々楽しんでいます。
昨晩の満月も今年で一番素晴らしく、実はこの「ちょうどいい季節」というのは年に数日もないのだろうなぁと思う。
昨年比でインフルエンザの患者数が1/1000になったらしい。
そういえば我が子も今年から保育園に通っているが「しょっちゅういろんな風邪やらをもらってきては呼び出されるよー」と先輩方に聞いていたけれど、まだ一度も呼び出されていないし、風邪すら引いていない。子どもが強いせいだと思い込んでいたけれど、どうやらそれだけではないらしい。医療を始め、介護・福祉の現場はいまかなりの緊張感で日々の業務に当たってくださっているし、我が家も日々の手洗いうがいの徹底に加えて、各種アルコール除菌をする生活が半年以上続いている。それにより、コロナウイルス以外の菌やウイルスの除菌も知らず知らずのうちに行われているのだろう。 でも、と思う。
いまは非常時だから最大限リスクを低下させることが最優先課題なのだけれど、当然ながら私たちは日々、有害なもと一緒に、本来必要なはずの常在菌などもアルコール除菌で除去してしまっている。そして短期的に見れば、人を苦しめる各種風邪やインフルエンザなども、本来は長い目でみたときには体の免疫体系を形成するために必要な要素のでもあったりする。これから先10年、20年、長い目で見たときに大事な幼少期を、いわば「無菌状態」で過ごしている子どもたちに将来的に大きなリスクが訪れるのではないかとたまに不安になることがある。 (*コロナのリスクやワクチンの必要性を軽視したり、除菌対策等を批判する主旨ではありません。)
そもそも菌やウイルスも、どこからが有害で、どこからが安全で、いつまでがこの非常事態なのか?
実はその明確な線引きもなかったりする。あらゆるリスクや代償を、そのメリットと天秤にかけて量っているのは人間だけで、菌やウイルスは変わらずに存在しているものだったりする。だんだんそういった感覚が麻痺し始めているが、そういうことを忘れずにいたいと思う。
そういえばこのあたりのことは、以前「割り切れないことの尊さ」でも書いていた。
コロナ禍というものは、つくづく善悪のコンセプトをないまぜにしてやってくる、と思う。
もともと善悪のコンセプトや境界線など実は存在しないことを胸に踏まえながら、理路整然といられたらと思う。
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